ゲーム

「Root Film」感想

公式ホームページ

概要

新進気鋭の映像作家・八雲凛太朗が参加することになったTV企画。
それは島根県を舞台とする、観光PRを兼ねたミステリードラマの制作だった。パイロット版が撮影されて以来10年間、理由不明のまま中断されていたが、復活が決まったらしい。映像作家3人による競作もこのプロジェクトのポイントで、それぞれ異なる女優を主人公として撮影するのだという。

自分以外の映像作家2人が有名な監督だと知って、興奮する八雲。やがて撮影のために八雲はスタッフとともにプレロケハンへ向かうが、行く先々でミステリアスな殺人事件が発生し……。

(公式ホームページより引用)

角川ゲームスから2020年7月に発売された推理テキストアドベンチャーゲーム。ハードはSwitchとPS4。

プレイ情報

ハードはSwitch。プレイ時間は8時間ほどでクリアまで。

感想

正直なところ少し物足りなかった。結論から述べると、推理ゲームがやりたいならこのゲームではない。

良いところ

まず絵が綺麗。キャラクターはかわいく、かっこよく、そしておぞましく描かれている。ぶっちゃけ僕もイラスト買いである。

次にシステム面。推理ものらしく最初に情報収集パートがあって、その後に推理パートがある。この情報収集パートがおもしろかった。従来の推理ものでは証拠品を集める作業となりがちだったが、この作品では主人公の「共感覚」という能力を使って登場人物の「言葉」を集めるパートになる。必然的に会話メインのプレイとなって、イラストの美麗さも相まってとても楽しめた。

悪いところ

何よりもストーリーが弱かった。

こういう推理ものは前半は謎も簡単めで伏線を多く貼るため退屈になりやすい。代わりに後半では黒幕が判明したり驚嘆するような伏線回収でゲームが最高潮に達するというパターンだ。この作品も例によってこういった筋書きになっているのだが、前半後半どちらも微妙に感じた。

前半に関してはさすがに退屈すぎた。主人公に感情移入できないし(主人公は知っているがユーザーが知らない情報が多い)、周りのサブキャラクターもいまいち人間味がない(ただの映像スタッフが死体が転がっている部屋で平気な顔で小芝居を始めたりする)。要するにキャラクターが好き!となりにくい。推理もそこまで深くなく、なんなら情報収集パートでトリックに気づいてしまう。伏線貼られてる感じがするな〜とは思ったが、それ以外の魅力がない。

後半に関しても盛り上がりに欠ける。全体のストーリー構成はよく、僕も黒幕が明らかになっていく部分はとても楽しんだが、問題はその後。推理パートで犯人がほとんど言い逃れしないのである。2, 3回追求しただけで自供を始めてしまう。しかも主人公の武器は言葉、つまりいくらでも言い訳はできそうなのにである。自分が牢屋にぶちこまれるかもしれないというシーンで、別に警察でもない主人公に「あの人がこう言っていたからあなたが犯人です」と言われてそんなすぐ諦めるか?そのあたりもキャラクターの魅力というか、生きている感じがしなかった理由なのかもしれない。

ちなみに本編終了後もおざなりで、俺たちの夢はまだまだこれからだ!みたいな終わり方をしといて後日談はスタッフロールで流れるCGのみである。サブキャラもすごく良い設定があるのに最後まで活かされなかったり、不完全燃焼感も強かった。ただただ悲しい。

まとめ

総括すると、あまり良いゲームではなかった。

逆転裁判などで情報収集パートが好きで推理パートが嫌いだったという少し珍しい人には勧めても良いが、基本的にはおすすめできない。

言葉を集めることが中心の推理ゲームというのはプレイしたことがなかったのでそのシステムはとてもよかった。一方で推理パートも言葉をメインにする以上、犯人側の抵抗ももっとあったりとか、主人公の考えとは違う意味が言葉に含まれていたりとか、そういう捻りがあるべきなのかなと感じた。

絵はかわいいがキャラクターは生きていない。そんな感じだ。